• レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展

    8月ですね。指導員森田です。
    先日、レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展を鑑賞して来ました。
    この「アンギアーリの戦い」という壁画は、フィレンツェのパラッツオ・ヴェッキオの中にある五百人大広場の壁を飾ろうという大壁画計画により、フィレンツェ政府からダ・ヴィンチが依頼を受けたのですが、後にダ・ヴィンチはミラノ総督に招かれてフランスへと旅立ち、壁画は未完のまま。
    この時、ミケランジェロも同じく「カッシーナの戦い」という壁画制作の依頼を受けておりましたが、ミケランジェロもまた、別の事業でローマへと呼び戻され、彫刻家のバルトロメオ・バンディネッリにその才能を妬まれ作品が切り刻まれてしまい、こちらも現存していません。
    実現すれば、その後のイタリア美術史を大きく変えていたかもしれないと言われるほど、ルネサンスを代表する二大巨匠の壁画です。
    今回の展示は、アンギアーリの戦いの模写の板絵「タヴォラ・ドーリア」。
    「タヴォラ・ドーリア」というのは、「ドーリア家の板絵」という意味で、作者は不詳。
    彼の謎を十分堪能した展示会でした。
    8月15日(火)まで、北海道立近代美術館にて開催されています。