• テロメアとは?

    水槽の脳のイラスト(電極付き)

    どうもS.Kです。最近はコロナウイルスは蔓延しており、できるだけの外出を避けたりしているのですが、なかなか収まり気配がしません。SNSの投稿を見ていると、影響力のあるブロガーが「今は流行しているから、コロナウイルスについて書けばいい。」と述べていましたが、人によっては真に受けてしまう方も多いので、医療が専門の方やそれに該当する機関の情報を収集する方が無難だと思います。これから述べることはあくまで私の関心のあることなので決して真に受けないでください。

    テロメアへの関心

    テロメアという言葉を知ったのは、某ゲーム会社のストーリ上の”彼女候補”の一人で、その人は生まれつきテロ間が短くてある手術に成功させなければならないのですが、脳を移植することになり人格が変化し、主人公との記憶を失ってしまう可能性があるという内容からでした。

    テロメアとは

    テロメア (telomere) は真核生物染色体の末端部にある構造。真核生物とは細胞核がある生物のことで動物が該当します。今回は分かりやすく対象をヒトにします。テロメアをかいた染色体は、細胞によって異常なDNA末端とみなされ、染色体と異常な融合が生じてしまいます。このような不安定な染色体から、細胞死や発癌の原因となります。

    テロメア短縮とは

    テロメアを伸長するにはテロメラーゼと呼ばれる酵素が必要です。ですが、ヒトの体細胞では発現しないか、弱い活性しかもたないようです。そのため、ヒトの体細胞を取り出して培養すると、テロメアの短縮が起こります。テロメアは一定の短さになると、増殖をやめます。それが細胞老化に繋がり、老化現象になりうるようですが、発癌などから細胞を守る役割を持つわけです。がん細胞はテロメアがないので不死身な存在で分裂し続け体を蝕みます。

    テセウスのパラドックス

    今回のゲームでの話では、脳を移植することによってテロメアが異常に短い”彼女候補”を救うことができます。しかし、ここでは倫理上の問題が生じてしまいます。ある問いをあるヒトに対して他のヒトの脳をそのままそっくり移植した場合、そのヒトは医学的に誰に相当するでしょうか?

    1. そのヒトは、身体は以前のものだから変わらない。
    2. 脳が他のヒトになるので、移植されたヒトとみなされる。
    3. 何かが異常事態になり、融合したヒトとみなされる。

    答えは2です。医学的には脳に人格が宿っていると考えられるので、移植したヒトの人格は失っております。例えば姫路城があるとしましょう。当然万物はいずれ滅びてしまうので、修復をしたりしてとりあえずは世界遺産の体をなしておりますが、昨年火災された首里城はどうでしょうか?原型を破壊され、新たに同じ設計で作られたものを人間は「首里城」と呼ぶのでしょうか?恐らく観光目的や経済効果のある価値のあるものとみなされ、多くの人はその城を「首里城」と呼ぶだろうと思います。これは本質であるかどうかどうでもよいのです。

    脳の場合、基本的に細胞分裂が繰り返されるため、どうでしょう?前例がないため、分かりませんが少しずつ脳を移植されれば城を修復できるのと同様にそのヒトの人格は保持できるかもしれませんが、それなりのデメリットを生じる可能性はあるかもしれません。こういう問題を「テセウスのパラドックス」と呼びます。面白いので調べて、考えてみるのも面白いと思います。